時間軸の終着駅に、列車が停まる。

遥かな向こうから、
気が遠くなるほどの時間をかけて、
たどりついた彼。

ここからはもう、二度と、動き出すことはない。
完全なる、そして永遠たる停止――

長旅を終えた彼は何を思う?
彼の目には映っているか?

永久の静寂が輝き、うつしだすプラットホーム。
大理石の柱の荘厳な彫刻。
きらめく金のふちの壁掛け時計。

…動かない世界。

ゆっくりでもいい。
この駅の光景を
私は彼に見て欲しいと願う。
彼がその目を閉ざしているなら、開けて欲しいと願う。

己が終着駅を…。
この世でいちばん強いものは真実です。

真実は変わらない、…変えられない。
真実は消えない、…消せない。
真実は容赦しない、…できない。
真実は死なない、…死ねない。

真実を変えようとすること、
真実を消そうとすること、
真実に命乞いをすること、
真実を殺そうとすること、
それらはこの世で最も愚かな行為であるといえます。

賢いことは真実を味方につけることです。
真実の剣を突きつけ、真実の盾を身につけるのです。
そうすれば、あなたは真実の次にこの世で2番目に強い。

息吹

2004年9月13日 ポエム
風が通り過ぎ
わたしの髪が
頬や肩に
そっと触れる
感覚だけが
わたしを
現実(ここ)に
つなぎとめる

「風さんありがとう。
 わたしは生きています。」

湖 

2004年9月11日 ポエム
湖面は窪んでいるように見えた。
普通、湖面は平面、もしくは
地球が球体であることを鑑みれば、
多少の膨らみを持っていると考えられるのだが、
それでも、湖面は窪んでいた。

窪みの端から中心へと連続する
淡いブルーのグラデーションは、
つるつるとした浅いガラスの盃(さかずき)を思わせた。
湖面に酒をチョロリと注いで飲んだなら、
それはそれは風流な味わいを楽しめることだろう。
世界がこんなにも美しいから
僕は固く目を閉じた。

どうして世界はこんなにも美しいの?

僕は知ってる。
世界はほんとうはもっと
残酷で
哀しくて
冷たくて
醜い。

それなのに
どうして世界はこんなにも美しいの?

世界は僕をだまそうとしてるんだ。
世界がこんなにも美しいわけない!
だから僕は目を閉じるんだ。
僕はだまされない。
彼の地へ続く道を絶て
大地を切り裂き毒を盛れ
針を衝き立て砦を築け
炎を吹き消し光を閉ざせ

世界の有無に我は関せず
我は我なり
この世の根源 死と再生
その大いなる流れにその身をゆだねよ

汝の死は新たなる命の形成
人類の死は新たなる種族の繁栄
地球の死は新たなる星の誕生
宇宙の死は新たなる世界の創造

遥かなる歴史 その根幹
永遠をも思わせるその流れの先に
我らは立つものなり

生に執着するなかれ
死を怖るるなかれ
わかっている
わかっているけど

それでもわたしは
こんなにも
愚かで
無力な
わたしに
なにを望むというのだろう

きっとわたしは
わたしに殺される

疑問符

2004年8月25日 ポエム
ともあれ終末に向かって動き始めた時間(とき)は
もう誰にも止められなくて

ただ
その時を
待つのみ

終末だけが確かな現在(いま)を
貴方はなぜ生きる?
ああ
泣きたい
泣きたいのです

天よ
海よ
大地よ

聴いてくれ

俺の身体はよじれそうだ
内臓が軋む
音を立ててねじれている
胃液が
胃液がうねる
管を通ってこみ上げてくる
肩が浮き上がるようだ
そのままプロペラになって飛んで行ってしまいそうだ
脳の輪郭を感じる
脳は脳漿の中を浮かんでいるのですね
ぷかぷか揺れて
そのまま空まで
アンテナが伸びていくかの様
力を感じる
そうだ
それは
それは天のチカラ
あああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああ
わたしは
ワタシハ
テン ト ツナガッテイル…

光の魔力

2004年8月18日 ポエム
一条の
光も射さぬ暗闇の中私は
黒き神へと誓った

「我は光など望まぬ
 我に永劫なる安息の闇を」

そのとき
天より一条の光射す

唐突に
誓いは脆くも崩れ去り私は
白き神へと縋(すが)った

「我は闇が怖ろしい
 未来永劫陰ることのない光を」

光の魔力
抗いがたし
黄昏時に 天を仰いで
たなびく雲が 黄金色に 輝く様を 
胸が僅かに 温かく 
片隅には 寂しさを 
どうして わたしは 湛(たた)えるのだろう

それは 遺伝か 刷り込みか
この世を愛し 生きる術には
変わらねど

空想

2004年8月8日 ポエム
空の箱 空の棚 空の引き出し
空き瓶 空き缶 空き店舗
空欄 空白 空虚 空室

きっとソラには
ぼくらのあこがれ

「無」の世界があるのでしょうね

激昂烈火

2004年8月5日 ポエム
憎しみがわずかに光を放ったかと思うと
すぐにそれは炎となった

あたしの瞳はもう誰にも消すことができないほど
熱く
熱く
炎はみるみる燃え広がってあたしの身体を焼き尽くす
もう誰にも止められない!

はやく…
はやく…
この熱い熱い炎を
はやくあいつにぶつけたい!

銀色の憧憬

2004年8月3日 ポエム
銀色の心臓が深い眠りに就くまえにわたしは帰らなくてはいけない。
銀色の広葉樹が揺れる。
銀色の庭が私を呼んでいる。
銀色の羽根を持つ天使たち。
銀色のテーブルを囲んで
銀色のスプーンが
銀色のルージュへ吸い込まれる。
銀色の風が吹いて
銀色の髪がそっと唇をなでる。
銀色の空には
銀色の太陽。
銀色の光を放って
銀色に照らす。

銀色世界。
銀色世界。

銀色の羽根が私の背中をうずかせる。

砂時計の砂

2004年8月1日 ポエム
砂時計の砂は 命
なんの躊躇も
哀れみもなく
ただ ただ
さらり さらりと
堕ちてゆきます

砂時計の砂は 私
なんの希望も
反省もなく
ただ ただ
するり するりと
生きてゆきます
ああ、もう
何が間違ってて
何が正しいのか
さっぱりわからん

神様はもっと
そこらへんの定義づけを
きちんとしておくべきだったな

だったらもっと
生きやすい世の中に
なってただろうにな

神様もいじわるなやつだ

夢魔の媚薬

2004年7月24日 ポエム
夢が見たい!

夢の世界は無限大 
くるくる回って 
神出鬼没 
時間を飛び越え 
次元をまたいで 
物理なんてなんのその 
叶わない願いなんてない! 

眠らなきゃもったいない! 
夢を見なきゃもったいない! 

だって、死んだら夢は見れないんだよ? 
思えば、あたしの道はどこから壊れていたのだろう? 

ひび割れ、あちこちにいろいろなものがが散乱していて 
あたしのお気に入りの赤いサンダルじゃ、 
小石につまづいただけでもケガするし、 
ちょっとした段差でもすぐに脱げてしまうし、 
うまく歩けない。 
他に履くものがないから、仕方ないんだけどね。 

それでも、あたしは歩かなきゃいけない。 
ここで立ち止まるわけにはいかない。 
ゆっくりでもいいから。 
かすりキズくらいできたっていいから。 
ハムエッグを作ったフライパンはさわれるくらいに冷めてしまった。
オレンジジュースの氷は溶けてしまった。

水は流れ、海に還り、平坦さを追い求め、
空気は流れ、風に乗り、同じ密度を保つためうごめく。

あたしをひとりにしないで!
ひとりは怖いから…。

髪や瞳や肌の色の違いによって、虐げられた人々。
殺された天才。

ホメオスタシス それは法則
ホメオスタシス それは均衡
ホメオスタシス それは安息への羨望
ホメオスタシス それは異端排除

ホメオスタシス それは支配者

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