ガラスの指先

2007年2月15日 ポエム
夢を見る貴方 
残酷な夢も 
哀しみにくれる夢も 
その円盤を廻す指が 
私であれば 
それでかまわない

おもちゃ箱

2007年2月13日 ポエム
君が与えられたのは使命なんかじゃない 
まして 宿命でも 運命でもない 

ただのおもちゃだ 

ただのおもちゃが 
ひっくり返ったおもちゃ箱の中に 
ただ 墜ちてきただけだ 

君はおもちゃを与えられた 
君はおもちゃを使って 遊べばいい 
誰も咎めはしないさ 
君が与えられたのは おもちゃなのだから 

周りを見渡すがいい 
そこらじゅうにおもちゃがある 
君はおもちゃを使って 遊べばいい 
おもちゃは遊ぶためにあるのだから 

ただ気をつけなければいけない 
他のおもちゃが 君を使って遊ぼうとするかもしれない

愛のすべて

2007年2月1日 ポエム
愛しいあなた 
愛おしいあなた 

あなたはあなた 
ずっと あなたのままでいて 

あなたの瞳 
あなたの声 
あなたの髪 
あなたの指 

すべてが愛おしくて 
わたしは死ぬまで眺めていたいの 

触れられなくてもいい 
汚してしまいそうだから 

見つめられなくていい 
あなたが遠くを見つめる目が好きだから 

あなたが誰かと話すとき 
たまらなく嫌になるの 

純白のあなたに不純な色が混じりそうで 
あなたはあなたのままでいて 

ガラスケースの中 閉じこめて 
ずっとあなたを見ていたい 

誰もいないところで 
遠くから 

わたしだけが あなたを見ている

あなたの瞳 
あなたの声 
あなたの髪 
あなたの指
 
孤独に沈むあなた 
苦痛に歪むあなた 
暗闇に怯えるあなた 
静寂に狂うあなた 

大丈夫 
わたしが全部見ていてあげるから 



最期のとき 
あなたはどんなふうに 生を終えるの? 
赤い唇を僅かに開いて 
最期の吐息は甘いのかしら?
長い睫の瞳は閉じられて? 
安らかに? 
苦しそうに悶えながら? 
最期の涙はすくって舐めてあげるから

わたしだけに 
見せて

雑踏

2007年1月12日 ポエム
孤独の闇の寒さに凍え 
人混みを歩く 

わたしにとって 
人の体温は熱すぎるらしい 

火傷して 
すぐに踵を返す 

炎は遠巻きに 
手を翳(かざ)しているのがよい 

同じ様に 
遠巻きに人混みを眺める

地下鉄

2006年12月16日 ポエム
暗闇へと吸い込まれる風 
まるで誘うようにして 
コートの先をひるがえす 

この高みを降りたそこが 
違う世界へ繋がっているなんて 

あいまいな境界に 
あいまいな自分が 
重なって 

立っているのか 
倒れているのか 
頭から前のめりに 
墜ちていくような 
あいまいな感覚 

身体を預けて 
背中が触れる 
冷たい壁だけが 
私の生きている証明
(ああ どうしてこんなにも紅いのでしょう?) 
鮮血は逆流する 
(まるでお花が咲いたよう…) 
流れ流れて 
(窮屈な思いをしてたのでしょう?) 
留まるところを知らず
(ほんの少し 後押ししただけなのに…) 
靴を染め 
(でも 今は満足したでしょう?)  
つま先から入り込む 
(とても 生き生きしてる…) 
生温かい感触 
(美しいとは思いません?) 
這うように 
(さあ わたしにも…)

街の記憶

2006年11月12日 ポエム
満ちた月の色 
紅く見えた 

不吉が呼ぶ 
空は漆黒 

澱んだ風 
まとわりつき 

夜の雫は 
冷ややかに 

アスファルトは 
闇の色

狂騒

2006年11月7日 ポエム
空想
宵闇
虚無
虚構

惨劇の果てに広がる大地はバター色 
芯まで溶けておもてなし 

月光
混血
無機
霧散

愛欲の果てに連なる世界はカスミ色
まどろむ鐘に風立ち消えぬ

禁忌
信仰
君の
結末

MEGALOPOLIS

2006年11月1日 ポエム
神を目指し 
人々は 
遙かそびえる 
高き塔を 
積み上げ 
雲を貫き 
地上は遠く 
天界の扉 
今まさに 
開かんと 

高き塔は 
空を塞ぎ 
光を遮り 
陰を生み 
地を腐らせ 
歓喜の声に 
掻き消された
崩落の産声

孤独に沈む

2006年10月7日 ポエム
どこにも居場所なんてないのだろう 
広い世界にただひとり 
太陽は手のひらのはるか向こう 
まぶしいくらいに輝いて 
自分の影だけがただ遠く 
後ろ向きにまっすぐ伸びる 

誰かいませんか 
誰か僕の話を聞いてくれませんか 
誰も座ったことのない向かいの椅子に腰掛けて 
僕の話を聞いてくれませんか 
僕は孤独です 
僕は寂しいのです 
もう涙は枯れてしまって 
泣くことはないのだけれど 
それでも寂しいのです 
(心が枯れてしまうことはついになかった!)

影はみるみる伸びていく 
太陽は傾き 
白い輝きは黄金色の輝きに 
光度をわずかに鈍らせながら 

沈む!

ああ 

せめてその前に 

誰か

あなたの顔を見せて

流星

2006年9月27日 ポエム
流れ星は
一度きり

流れ堕ち
一条の軌跡
輝くも
世界の果ては
あまりに遠く

崩れ堕ち
一条の光
儚くも
そのすべてを
照らすことあたわず

仰ぎ見る
一塊の人々
厚かましくも
我が願い叶えんと
祈りを捧げる

悲壮

2006年9月26日 ポエム
愛するものを 
ひかり輝くものを 

すべてを失い 
残されたのは暗闇砂漠 

乾いた砂の音だけが 
無機質に響く 

わたしの足は 
どこへ向かうのか 

引きずられ描くのは 
砂上に浮かぶ一筋の軌跡 

いつか恵みの雨を 
どうか運んでくれますように
紅い薔薇 
君の黒髪 
結わえても 
漆黒がすべてを包む 

暗い空 
君の瞳 
沈み込み 
夕闇がふたりを分かつ 

THE END 

もう終わり 
もう戻らない

あれもこれも 
美しい思い出 
今はもう
ただそれだけ 

ただそれだけに 
押しつぶされそう

BLACKOUT

2006年8月4日 ポエム
世界があまりに醜いから 
僕は目を閉じ 
あまりにも美しい闇色で 
世界を包み込んだ 

僕にとっての世界の終焉は 
世界がもっとも美しいとき 

そして世界が 
僕だけのものになるとき

魂の檻

2006年7月30日 ポエム
わたしという 
本当の姿は 
堅牢な檻の中 
閉じ込められ 
深遠な海の底 
沈められ 
息が続くまで 
もがき苦しみ 
最期のときも  
堅牢な檻の中 
逃れることは 
決してできない

「…そんな人生に意味はあるのかしら?」
「…綺麗な珊瑚を僕は見た。」

Inconclusive

2006年7月11日 ポエム
わたしは…
わたしは…何を望む? 

解放?
何からの?
わたしは…何に縛られている?
義務?
恩義?
建前?
それらからの解放?
本当に?
解放されて何が残る?
怠惰?
退屈?
でもそれは苦痛でしかないじゃないか。
本当は解放なんてされたくない?
束縛が必要?
束縛がなければ生きてはいけない?
それよりも
生きること自体が束縛…?
だったらわたしが望むのは…

パキンッ

(考えるのをやめた音。)
あなたが手を差し伸べたから 
わたしは手を差し出したというのに 
あなたはわたしの手を振り払った 
哀れみの目でわたしを見ながら 
でも口元はわずかに弛んで 
嗤っているのね 
わたしのことを 

だからわたしは暗闇にひとり 
鍵をかける 
閉じこもり眠るだけ 

けれどあなたは再び手を差し出すのだろう 
暗闇に怯えるわたしに

みけらるれぱ

2006年7月2日 ポエム
ゆらゆら ゆれる 
ゆらゆら ゆれる 
ゆらゆら ゆれて 
ゆらゆら おちる 

りんかくせんを 
ゆびでなぞれば 

ぎざぎざ いなずま 
きらきら ひかって 
くだけて ちった 

こだいの まどうしょ 
じゅもんの いっせつ 
みかる みかられ 
みからるれぱ 
みかる たいよう 
ほのおを このてに 

めらめら もえて 
ちりちり こげて 
ひらひら ちった
あなたの瞳の中 映るわたしだけが 
本当のわたし 

もっと近く 抱き寄せて 
もっと見せて 

その一瞬は まるで永遠 
時が止まったように 
すべてが静止する 

もっと強く 離さないで  
もっと見つめて 

あなたとわたし ふたりだけ 
この夢がどうか 醒めないように 
もっと深く…

終末の風

2006年6月16日
世界の終わりに 
どんな歌を口ずさむ? 

陽気な鼻歌も 
嘆きの鎮魂歌も 
祈りの賛美歌も 

終末を呼ぶ風が 
根こそぎ運び去っていく 

愛の歌はあの人の許へと届いたか? 

終末の風 振り返らず

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