Relieving Edge

2005年9月10日 ポエム
あばら骨のスキマから 
ナイフを滑らせ 
心臓をめがけて 
赤い花を咲かせたときに 
花弁の中で 
僕は静かな夢を見る 
あなたの流す涙が 
音もなく地面に落ちて霧散する 

あなたに寄り添い 
涙を舌ですくったところで 
哀しみの味はわからない 

あなたの力になりたくて 
あなたの哀しみ分かち合おうと… 

何もできない自身の無力さに 
私の涙もこぼれ落ちた 

私の涙が… 
あなたの哀しみを癒す薬になるわけでもないのに…

断片の浄化

2005年8月21日 ポエム
『死』 

…時間とともに朽ちていくのは肉体であって 
タマシイではない 

…だが肉体の腐臭は 
本来永遠であるはずのタマシイさえも 
道連れにして 
ともに堕ちていく 
 
…肉体という名のこの牢獄から 
それが崩落しタマシイが押し潰される前に
抜け出すごとが出来なければ 
タマシイの永続性はそこで終わりを遂げる 

…言うなればこれは試験と同じ 
与えられた課題である 

…牢獄の崩壊が先か 
タマシイの脱出が先か 

…我らは試されている 
金の王冠を振りかざし 
為政者は今日も狩りを始める 

王冠を奪われた僕 
魂だけをつなぎとめ 
僕だけの秩序の中で 
寒さに震える 

金でなくともいい 
銀でも 銅でも 
樫の王冠でもいい 
なんでもいい 
僕の証明が欲しい 

だから僕は 
貧者を襲い 
王冠を奪う 

悪いのは為政者で 
そして奪われる弱さだから 

樫の王冠を携えて 
僕のもとにもようやく春が訪れる 
街と同じ暖かさを感じ 
冬の寒さを見下ろし蔑む 

かつての王冠の色さえ忘れて

水中花

2005年8月7日 ポエム
喉を掻き毟りながら 世界を生きる 
酸素が足りない 
すべての地表は 水の中
生きることは 苦しいこと 

理性を引き換えに 鈍く輝く 尾びれを持とう 
海に沈んだこの世界を 水中花のように 流れよう 

食い破られても 気づかずに 
藻屑と化しても 気づかずに

ごめんなさい

2005年8月6日
ブックバトンをいただきました。

私自身のことに興味を抱いてくださったこと、また私との間に何らかの関わりを持とうとしてくださったことに対してとても感激しました。

けれど、ほんとうに身勝手で申し訳ないのですが、質問に答えることを辞退させていただきます。

私には常々、パーソナリティ的な特徴を何も持たない、透明な存在になりたいと考えている節があって、もしかすると「るる」という理想の自己としての存在に、その欲求を投影しているのかもしれません。「るる」として質問に答えることは、その理想的なまでの透明性にほんのわずかでも色を与えてしまうことになります。それは私にとって耐えがたいことなのです。

このような理由から回答を辞退させていただきました。これはただ単に私の身勝手ですので、ブックバトンを送ってくださった方はどうかお気になさらないでください。
空を覆う突然の黒い雲 
まるであなたの心を映す鏡みたいね 

落ちてきた雨は 
こらえきれなかったあなたの情動かしら 

泣けばいいよ 涙が枯れるまで 
雨粒が涙を洗い流してくれるから 

叫べばいいよ 喉が嗄れるまで 
雨音が声をかき消してくれるから 

震えればいいよ 心が晴れるまで 
水しぶきがあなたを包んでくれるから 

雨の日には ダンスを踊ろう 
たくさんのレインドロップたちと手をとりあって 

雲が消えて 青空が見えたら 
きっとあなたの心も晴れる

Insensitive Stream

2005年7月15日 ポエム
心よ 
どうか 今は 目を閉ざして 
 
何も感じたくありません 
何も思いたくありません 
何も考えたくありません 

目覚めるのは未来でいい 
今はただ眠りたい 

流れるのは そう 時間だけ 
河のように 
流れに乗って 流れるだけ 

時がきたら 
海に出たら もう一度 

それまでは どうか 
心よ まどろみの中に
すべての願いが叶うと信じていたあのころへ 
戻りたい 
たくさんある未来を並べて選ぶことのできたあのころへ 

両手を伸ばして 
無限に広がる 可能性という名の枝は 
いつの間にか 数えるほどに 

折られ 切られ 刈られ 枯れ 

残されたものさえも不確かで 
細く 弱く 
触れることすらためらわれます 

失われた枝と 
死にゆく枝に 
涙も枯れて 
私は未来をどうすればいい?

再生と惰性

2005年7月3日 ポエム
朝の日差しが瞼を貫き 
意識の奥を抉り取る 
小鳥たちの不協和音が耳を刺し 
頭の内を掻き毟る 

世界が色を持ち 
ノイズは意味を取り戻す 

積み上げられたたくさんの本の中で 
僕は目を醒ました 

チラチラと炎を揺らす銀時計が 
正確なリズムでもって舌打ちを続け 
焦燥を煽る 

囚われた僕の体は 
操り人形のように 
体を起こし 
単調に動き出す

Vision of Light

2005年6月13日 ポエム
神の栄光 聖なるものの象徴 
光の祝福の中 
我が瞳に映るは白光 
ほんのわずかな陰りさえ許さぬ 
一面の白色
すなわち神の恩寵を眼前に 
空間は立体構造を失い 
押し迫る壁となり 
我が両手は儚くも空を切り 
神の体内において
我が両足は無様に這いずり回るのみ 

それはそう 
まるで光ではなく 
闇にでも包まれたかのように

トリミング

2005年6月4日 ポエム
瞼が切り取るレイアウト 
世界はつぎはぎのジグソーパズル 

瞳の裏側を旅して 
貴方の心の底探したい 

繋がらない世界で 
繋がらない私の心 

引き裂かれて 
瞼の奥に消えるのは幻想

瞳を閉じて 
このまま消えてしまえばいいのにね

bless you

2005年5月22日 ポエム
少年の目は荒野の果てを 
遥か先 地平線を見てる 

迷いなんてないのだろう 
そうさ 未来は君のもの 

風は世界を翔ける 君の足となり 
太陽は世界を照らす 君の瞳として 

旅立つがいいさ 
闇を知らぬ少年よ 

その身を贄として 
世界に愛されるがいい

叫ぶ気泡

2005年5月17日 ポエム
わたしは 生まれた 
瞬間 溺れた 

深い 深い 哀しみの 海に 
 
冷たさは 愛情を 奪い 
暗闇は 希望を 奪う 

足掻いた 腕に 
答えなど 無く 

光は 遠く 
闇は 手招き 

私は 影と 
同じに なった

熱量なき熱望

2005年5月12日 ポエム
熱情なんていらない 
冷たい口づけを 

形式だけでいいから 
わたしの唇にそっと触れて 

厚塗りの雲の下 
光なんていらない 

冷たい風は 
幾千の夜をこえ 

わたしの声は 
いっそう震える
壊れてしまえ 
壊れてしまえ 

ナイフを握る指に躊躇いなどない 
僕は自動人形のように腕を振り下ろす 

壊れてしまえ 
壊れてしまえ 

抉り取られた窪みに向けて 
僕はもう一度ナイフを突き立てる 

壊れてしまえ 
壊れてしまえ 

砕け散った破片の先が 
僕の頬をかすめて切り裂く 

壊れてしまえ 
壊れてしまえ 

食い込んだ爪が皮膚を破り 
僕の指とナイフの間に温かい感触を滲ませる 

壊れてしまえ 
壊れてしまえ 

手のひらの皮が裂けた 
僕の腕が震えるたび ひび割れていく 

壊れてしまえ 
壊れてしまえ 

僕がほんとうに壊したかったものって…? 
僕は止まらなかった 

壊れてしまえ 
壊れてしまえ…
時間回廊の神秘 無限の軌跡 
永遠(とわ)へと向かう 箱舟は 
まどろみの中 舵を切る 

空間魔法の禁忌 驚異の交錯 
果てへと向かう 幻は 
黄昏の中 空(くう)を切る 

天空人(てんくうびと)よ、祈れ 
その名の下 時間軸からの逸脱 

天空人よ、祈れ 
その名の下 万象法からの逃避 

天空人よ、祈れ 
終わり 始まり その狭間にて 
終末予言の その果てまでも

Ancient Arms

2005年4月23日 ポエム
応えなど返ってこない 
うわごとのように 繰り返すだけ
物語の顛末を 
自らの死を 

あきらめにも似た その表情からは 
悟りを啓いた賢者のような 
介入を許さない 禁忌の扉を感じた 

彼女の死 それは
彼女を中心として廻る 
この閉ざされた世界の変容となるのか 

世界は
彼女とともに 滅びの道を歩むのか 
呪われた宿命は 断ち切られるのか
 
どちらにせよ あらゆるところに 
留まり続けた 彼女の記憶は 
渓谷の底を駆け抜ける風とともに 
消えてしまうのだ

冷たい指

2005年4月18日 ポエム
死のおとずれは確か 
最期の日はやってくる 
黒いフードの死神さんが 
あたしの首をはねちゃうの  

それならいっそ 日が昇るたび  
指を折りつつ待ちましょうか 

あたしの両手の10本指と 
死神さんの両手の鎌は 
いったいどっちがはやいのかしら? 

When the rize of the sun,
I`m eagerly waiting for...

死への憧れ

2005年4月16日 ポエム
手を伸ばしても届かない 
まるで私を見下すように 
高いところに備え付けられた窓 

力を込めても開かない 
まるで私を無視するように 
施錠された中に輝くカッターナイフ 

乾いた浴槽の中で 
赤黒い色をした果実は  
妖艶な香りを撒き散らしながら 
飲み込まれる瞬間(とき)を夢見て 
静かに 
そして確かに 熟していった

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