予感

2005年4月10日 ポエム
ああ、エトワール 
光はそこにあるのか?

夜明けは近い 
空は白み 
世界は徐々に それぞれの色を取り戻していく 

ああ、エトワール 
それは太陽の光か? 

私にはそれが 
世界を焼き 
死をもたらす 地獄の炎にしか見えない

人魚の夢

2005年3月25日 ポエム
人魚の夢を見た 

みずいろの光がふりそそぐ  
円をかたどる白色のりんかく線が 
渦をえがきながら浮かんで溶ける 

人魚はわたしの前で振り返ると 
水面をゆらしながら しずかにささやいた

やさしいことばは まとわりついて 自由をうばい 
わたしを深い 海の底へと沈めた

羅列

2005年3月23日 ポエム
遠い
遠い
どこかの国
兵隊さんは
血飛沫吹いて
ひるがえる
意にも介さない
容赦なく
正義
正義
どこにあるの、そんなもの

人間は空っぽだから
人間は空っぽだから
あたしが模索する 貴方の心のうちは 
星の光さえ届かない 宇宙の果てのよう 

手を伸ばしても 
喉が張り裂けるくらい叫んでも 
届かなくて 
触れられなくて 
見ることもできなくて 

ただ背伸びをして 
あれこれと考えて 
けれど答え合わせもできなくて
想いは募る一方で

そこにあるのに 
絶対にあるのに 

存在の証明なんて 
何の意味も成さなかった 

あたしの焦燥を誘うだけ

hopeless

2005年3月12日 ポエム
ただ 漠然と 
目の前に浮かび上がる 
自らの最期に 
僕は恐怖し 萎縮し 
ありもしない永遠を夢想した 

終わりを恐れる弱虫の僕に 
終わりのない世界は 
終わることのない悪夢を見せた 

終われない絶望 
続くことの苦痛 

僕の進む先は 
恐怖と絶望と苦痛に埋め尽くされていて 
僕は 僕が生まれてくる前の世界のことを想った

Guardian Angel

2005年3月5日 ポエム
白い雪が一面に降り積もり 
小さな足跡を残しながら 
大地に降り立った天使は 
真紅の衝動に駆られ 
白いキャンパスに 赤の雫を落とす 

雫はやがて 断続性を失い 
糸のように シュプールを描きながら 
紡がれていき 幅を増し 
滝のように 流れ落ち 
温度を失い 
真紅の薔薇のような 
真紅の広がりの上で 
白い翼を横たえる 

すべてが白く 
再び白く 
まるで そう 
何事もなかったかのように

下弦の月

2005年3月1日 ポエム
月の明るさを知る者ならば 
わたしの心に少しだけ空いた この隙間にも 
あなたは気づいてくれるだろうか 

埋まらない隙間は 
下弦の月のように 
暗闇を少しずつ拡げ 
完全なる夜空へと 
わたしを誘い込む 

心が光を失い 
新月になる前に 

ダレカキヅイテ
虚像 虚像 虚像 虚像

% 

2005年2月20日 ポエム
涙は心の結晶だから 
涙するたび 心は濃度を失っていく 

希薄な心の熱量では 
もう愛情さえも温められない 

あなたのために 
涙したのに
私は私の仮面を被る 
私であって 私でないもの 
私の仮面を被る私 
私の仮面を被った私 
私は私
私の仮面は私 
私の仮面を被る私は私 
私の仮面を被った私は私 
私の私は私 
私の私は私の私
空想の中で遊ばせて
銀のナイフを貴方の首筋に 
きらりと光って 
あたしの紅い唇を映す 

貴方の口を朱で塞ぎ 
吸い上げた舌を 
奥歯で挟むと 
きつく閉じられた貴方の瞼に 
誘われるまま 
ナイフをスッと 
滑らせてしまいそうで 
あたしの唇がそっと紅い弧を描く 

血の舞踏

2005年2月3日 ポエム
百万回の愛を唱える人間が 
百万人の心を壊す 

愛の持つ鋭利な刃に 
あなたは気づかず 
愛を高らかに振り回し 
飛び散る血潮を 
体いっぱいに浴びて 
あなたはそれを 
愛だと言う 

愛でわたしを救えますか? 
愛するものを傷つけてはいませんか? 

わたしの血液はすべて流れ落ちた 
狂気が乱舞
紅い火花を従えて
空想世界へdive!

ほとばしる月光は
虚無の彼方
1億数千万キロの向こうから
狂言まじりにcomming out!

追悼の意を表して
翻った5本のダフネ
血走り 激昂とともに
crazy cyclon!

俊足のフラジオレットが
無限の螺旋を描きながら
紅き追憶
闇の世界にこだまする!

Initiation

2005年1月14日 ポエム
ふたりの天使が仮面を外し 
現れたのは双頭の魔人 

天使さえもが悪魔ならば 
人は何の仮面をかぶる? 

世界中が僕の敵 
信じられるものなんて 
あるものか 

世界が僕を 
殺しに来る前に 
僕が世界を壊してやる 

僕を止める権利は誰にもない 
これは僕と世界の戦争だ!
わたしの声は 
わたしの言葉は 
わたしのものだろうか 

わたしが創り 
わたしが温め 
わたしが育てたものだろうか 

誰かの土の中で 
誰かの肥料を与えられ 
誰かの水を浴びてはいないだろうか 

わたしのもののようで 
わたしのものでなくて 

誰かのもののようで 
誰かのものでなくて 

わたしのもののようで 
誰かのもののようである 

冷たい海

2005年1月5日 ポエム
現実にはありもしない 
自分が生まれた本当の意味を求めて 
どうして人は こんなにも辛い思いをするのだろう 

僕は彼らに何と声をかけたらいい? 
賞賛か? 軽蔑か? 

それでも立ち向かう彼らは英雄で 
追いかけることをやめてしまった僕は臆病者なのか 
あるいは 
ないものを求め続ける彼らが愚者で 
真実を受け入れる僕が悟りを得た賢者なのか

神の掌の中で 踊らされ 歌わされ 
与えられた ほんの少しの自由な思考の中でさえ 
人は神の意思に 悩み 苦しみ 
結局答えもわからぬままに死んでいく 

人は生まれながらにして神の虜であり 
ただそれだけの存在であり
忘れ去られた存在であり
神が僕たちを愛することはないだろう

それなのに
5メートルはあろうかという 
巨大な氷柱(つらら)が 
わたしの心臓を貫いて 
すべてを終わりにしてしまう 

わたしの終わりを夢想して 
わたしは今日も眠るのです
此処だけは何人の支配も拒絶している気がする。
此処だけは自分の起源に最も近いという気がする。
此処だけは一切の改竄から防衛されている気がする。
此処だけは自分の所有物であるという気がする。
此処だけは最期まで握っていられそうな気がする。
此処だけは何人の詮索も侵入できない気がする。
此処だけは自分と死を同じくする気がする。
此処だけはある程度の不変性を保持している気がする。
此処だけは何人も覗き見ることができない気がする。
此処だけは裏切らない気がする。
此処だけは自分の意思と直結している気がする。
此処だけは何に代えても死守しなければいけない気がする。
此処だけは存在無しに生きていけない気がする。
此処だけは…。

空が堕ちてくる

2004年12月26日 ポエム
ほら 見える?
世界が終わっていくよ 
ゆっくりと 
けれど 確実に 

あなたなら見えるでしょう? 
世界を包む 狂気と絶望 
黒い霧となって あなたの手の中にも ほら さあ 見て
すこしずつ 
染めて 埋めて 融かして 沈めて 砕いて 消して 

あはは
終わる 終わる

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