本能を忘れた人間たちが
命をつなぎとめるために
構築されたそのシステム

崇高なる思想
甘美なる幻想
模範たる志向

生きることのすべて
すべての価値は愛の下
肯定される

狂奔する歯車
乱舞する銀糸
肉迫する歯牙

紅い紅い炎をたたえ
鋼鉄の動力炉が君を
灼き尽くしてくれよう

カクリ

2007年11月20日 ポエム
過去 
悩み 
渦巻いて 
拡がっていく 
私 

同じ質量と 
熱量が 
人の数だけ 
存在している 

私にとってのあなたは
あなたにとっての私

それが理解できなくて

私だけの世界で 
あなたはただの 
登場人物でいい

未完の証明

2007年11月10日 ポエム
わたしの証明−その手段 
内省

拒み続ける
思い出せない 

わたしの影
わたしの肖像 

おぼろな輪郭線 
かすれた色 

わたしの証明−その手段
他人の証言

他人が描き足す輪郭 
他人が塗り足す色 

気に入らなくて 
キャンパスを破る 

わたしの証明−その手段 
無からの創造 

キャンパスもないのに?

森の光と影

2007年9月30日 ポエム
暗い闇の中でひとり 
木々の間から わずかに差し込む 光の模様に 
夢の世界の輪郭をなぞり 遊んでた 

翼の生えた猫 
虹色の鉱石 
王子様の指 

無限に浮かび 拡がっていく 空想遊び 
わたしは幸せでした 

突如 
打ち消されたわたしの夢たち 

まばゆい光 

眼を凝らして 振り返ると 
太陽に灼けた 赤銅色の腕が わたしを誘う 

「お友達になりましょう」

夢の続きを踏みにじられた 怒りよりも 
ただ恐怖だけが わたしの心を突き動かして 
恐る恐る 
わたしはその掌に 自分の指を絡めました 

ただ 光 
銀色の世界 
初めて見る景色 

太陽は眩しくて ちりちりと肌を灼いて 
暑くて ゆらゆらとしてて 
掴んでいた 指の先が 
力無く 抜け落ちた 

眩暈 息切れ 
熱い吐息がまとわりついて 
余計に世界を歪ませる 

もう歩けない 

赤銅色の腕は 差し出されなかった 

代わりに 訊かれた 
悪意もなく ただ 純粋に 

「どうしてついてきたの?」

still

2007年9月26日 ポエム
縋(すが)る腕は空を切って 
救いの手はすでに遠く 

愛を語った唇は 
憎しみをぶちまけ 

何もかもか 
流動的で 

確かなものなんて 
ひとつもなくて 

信じたもの 
信ずべきもの  

明日には 
裏切られる

力無き腕

2007年9月22日 ポエム
何もかもが 
すり抜けていく 
私の腕は 
きっと 
絶望を 
知らしめるために 
在るのだろう

夢の星の死

2007年8月13日 ポエム
夢が光り輝く星だとするならば 
私の見上げる空には 
数えるほどしか星はない 

年を重ねる度 
いつの間にか 
星は潰(つい)えた

暗い 暗い 

足下さえもおぼつかない 
新しい一歩なんてもう踏み出せるものか 
私はただうずくまる 

真の暗闇の来訪を 

ただ待ちながら

アコガレ

2007年8月2日 ポエム
本当は僕は 
あなたになりたかった 

でも僕は 
あなたになれない 
憧れは憧れにすぎない 

あなたのそばにいたい 
でも それは叶わない夢の 
代わりにすぎない 

あなたのそばで 
あなたの見ているものを見たい 

けれど 同じ風景も 
あなたと私の瞳の中では 
違う色をしているのでしょうね 

あなたのそばで 
あなたの真似をしてみても 
違いばかりが際だつだけで 
余計虚しくなる 

ああ 
あなたになりたい 
あなたになりたい 

叶わない願いと 
日々増大する想い 

この苦しみは 
永遠に続くのでしょうか

狂気への夢

2007年7月20日 ポエム
妄想とか 
嫉妬とか 
狂気に駆られ 
狂気のままに 
凶行に至る 
狂人と呼ばれる 
恐怖の対象こそ 
我らに遺された 
最期の力が 
正常に機能した 
瞬間であるのかも 
しれない
どうして生きるのか 
思い通りにならない世界で 
それでも闘い続けて 
例え願いが叶ったとしても 
最後に訪れるのは絶対的な死 
すべてが消えてしまうのに 

人生は一瞬で 
ある人はそれを花火に例えて 
どうせ散るなら精一杯輝いて 
見る者すべてを感動させるくらい
きれいな花を咲かせたいと言う 

だけど何千万人を感動させたとしても 
その人たちもいずれ死んでいく 
あなたが人生を懸けて創りあげた記憶とともに 

その記憶が 
親から子へと伝えられていったとしても 
その子もいずれ死に 
遠い未来にはすべての人間が死に絶えるだろう 
そしてこの星や宇宙そのものも 

すべてはいずれ消える 
私の苦しみ 私の努力 私の名誉 
私の生きた証
すべてを連れて すべては消える

どうして生きているのだ 
私は
壊したい 
そうして 
壊れた破片を手に取り 
その運命を嘆きたい 

私が与えた不幸を 
哀しみたい 

私がはじまりで 
私がおわり 

私だけが廻す世界で 
思いきり泣きたい 

他人の与える不幸は 
哀しすぎるから

解凍

2007年5月30日 ポエム
届きますか? 
わたしの声が 

張り裂けるくらい 
喉を引き絞る 
唇は震えて 
吐息が妙に温かくて 

届きますか? 
わたしの声が 

世界が歪む 
もう前は見えない 
まぶたをきつく閉じる 
涙が妙に温かくて 

声は届かない 
空気の振動は遮断されて 
わたしはひとりきり 

わたしを包むのは 
わたしだけ 

もう 温かくない

教示

2007年5月19日 ポエム
手を伸ばさなければ 
何も得られない 

待っているだけでは駄目だ 
手を伸ばさなければ 

伸ばした手を 
刈り取る気でいる癖して 

鷹揚と囁くのだ 
貴方は

未来永劫

2007年5月2日 ポエム
個を消せ 
我を消せ 

世界と我とを隔てる壁など幻想と知れ 
我は世界をたゆたう無限のうちの1つと知れ 

腹を捌け 
臓腑を取り出せ 

我も醜きただの肉塊と知れ 
与えられた魂など幻想と知れ 

痛みも 
愛も 
憎しみも 

有することは無意味 
存在の証明は未完のまま 

すべては幻想であると知れ

運命は流転する

2007年4月25日
開いたボクの
手のひらの中 

輝いていたもの 
跡形もなく消え去って 

手のひらさえも 
ボクのモノ? 

指先から崩れて 
溶け落ちる 

記憶の消滅 
承認の棄却 
存在の否定 

ボクははじめから 
存在していなかった 

でもこの苦しみは 
誰のモノ?

無意味

2007年4月14日 ポエム
神様 神様 
わたしはできそこない 
使命すら全うできない 
生まれたときに 
生きる意味さえ与えられなかったのは 
きっとそのせい

知らない声

2007年4月6日 ポエム
暗い部屋の片隅で 
手首の包帯を口に押し込んで 
それでも 
そこから漏れる 
溢れてくる 
すすり泣く声が 
わたしの声が 
ナイフのように 
わたしの胸へ突き刺さる

消せない記憶

2007年3月15日 ポエム
振り返れば汚れがそこにあった 
幾重にも塗り重ねた…はずの
嘘の壁の向こうに透ける黒いシミは
増殖を繰り返し面積と深度を増した…ように
離れた…はず
わたしとの間隔を無視して 
大きく口を開ける…ように 
わたしに迫る…迫る!
(…人生はジグソーパズルのように。)

充たされないボクら 
それは心にスキマがあるから

充たされたいボクら 
スキマを埋めるピースを探す 

充たされないボクら 
空白を飾る欠片の色 思い描きながら 

充たされたいボクら 
理想に適うピースを探す 

…たけどボクは気づいたんだ。 
…心のスキマは埋められないんだ。 
…ピースはあまりに少なくて。 
…スキマはあまりに大きくて。 

…一生懸けても完成しないジグソーパズル。 
…どうしよう?

…ココデオワリニシヨウカ?

中空のダンス

2007年2月20日 ポエム
高度8000メートル 
高い高い綱渡り 
踊るように駆け抜けましょう 

直径20ミリ 
細い細い綱渡り 
廻るように駆け抜けましょう 

高い高い 下を見たって 
長い長い 先を見たって 
現状は同じ 

それならいっそ 
目を閉じて 
妄想の中を駆け抜けましょう 

見えた見えた 
私だけの天国 

辿り着くには この先真っ直ぐ? 
それとも 真下に急降下?

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