白い雲の上に 黒い闇を
重ね着してても 冬の空は
やっぱり寒い
街全体が 白い息を吐き出すように
ぼうっと光る
黒と白とが織りなす景色は
とっても魅力的だけど
やっぱり寒い
重ね着してても 冬の空は
やっぱり寒い
街全体が 白い息を吐き出すように
ぼうっと光る
黒と白とが織りなす景色は
とっても魅力的だけど
やっぱり寒い
黒薔薇の刻印の門の向こう
深緑の茨の絡み合う 漆黒の壁に囲まれた
古代図書館
響き渡るのは カラスの鳴き声
舞い上がるのは 黒い花弁
覆い尽くすのは 灰色の乱層雲
そのいちばん奥の本棚の向こう
わたしだけの秘密の部屋に
散乱した本を踏み越えて
あなたはやって来た
どうして来たの?
今のわたしには ガラスの太陽さえまぶしいのに
深緑の茨の絡み合う 漆黒の壁に囲まれた
古代図書館
響き渡るのは カラスの鳴き声
舞い上がるのは 黒い花弁
覆い尽くすのは 灰色の乱層雲
そのいちばん奥の本棚の向こう
わたしだけの秘密の部屋に
散乱した本を踏み越えて
あなたはやって来た
どうして来たの?
今のわたしには ガラスの太陽さえまぶしいのに
山際を 飛行機が真っ直ぐに降りてゆく
それはもう まるで墜落してゆくみたいに
心配になってしばらく見ていたけれど
飛行機が真下に落ちていくように見えるのは
地球が丸いからなんだよね
飛行機はただ 空の丸みの上を真っ直ぐ滑るように進んでいただけ
いらない心配をしたもんだ
それはもう まるで墜落してゆくみたいに
心配になってしばらく見ていたけれど
飛行機が真下に落ちていくように見えるのは
地球が丸いからなんだよね
飛行機はただ 空の丸みの上を真っ直ぐ滑るように進んでいただけ
いらない心配をしたもんだ
床に落ちた水滴
こみ上がる絶望
わたしは剥き出しの大地に
ただ 嗚咽し
崩れ落ちるだけ
まわりを見渡すがいい
赤と黒との侵蝕は もう
止まらない
ようやく気づいたか
この世界の不完全さに
神に見捨てられた地
それならば
わたしは自分自身に従おう
さようなら
こみ上がる絶望
わたしは剥き出しの大地に
ただ 嗚咽し
崩れ落ちるだけ
まわりを見渡すがいい
赤と黒との侵蝕は もう
止まらない
ようやく気づいたか
この世界の不完全さに
神に見捨てられた地
それならば
わたしは自分自身に従おう
さようなら
3メートル左を歩いていた
もうひとりのわたしは
トラックに撥ねられて死んだわ
隣の椅子に座っていた
もうひとりのわたしは
○○の頚動脈を切って殺したわ
もうひとりのわたしは
わたしだけのわたし
タナトスに彩られた
わたしだけのわたし
もうひとりのわたしは
トラックに撥ねられて死んだわ
隣の椅子に座っていた
もうひとりのわたしは
○○の頚動脈を切って殺したわ
もうひとりのわたしは
わたしだけのわたし
タナトスに彩られた
わたしだけのわたし
幼少の記憶と氷の女王
2004年12月7日 ポエム彼女があらわれるのは
決まって僕が風邪を引いたときでした
彼女は天井から
ゆったりとした水色のローブを いっぱいに広げながら
ゆっくりと 鳥のように
僕の隣に舞い降りるのでした
仰向けで寝ている僕の額に
彼女はそっと手を触れると
優しく額にキスをするのでした
そして 彼女は 途方もなく大きな数字を
僕につぶやくのでした
彼女の声は
やっと聞こえるくらいの小さなささやきだけど とっても冷たく 威圧感があって
彼女のささやく 大きな数字は
巨大なイメージとして 僕に容赦なく襲いかかるのでした
そのイメージは 運命のつながりとか 神の意思とか
そういうものを連想させて
幼い僕は 果てしなく続く広がりに
押しつぶされそうになりました
僕が 手に余る大きな広がりと格闘している間に
彼女はいつの間にか いなくなっているのでした
そんなことが何度かあって
でも 僕が大きくなると
彼女はあらわれなくなりました
彼女がどうしてあらわれたのか
彼女が何者なのか
僕にはわかりません
ただ 彼女は僕に 自分の手には負えない大きな何かが存在することを
教えてくれたのです
決まって僕が風邪を引いたときでした
彼女は天井から
ゆったりとした水色のローブを いっぱいに広げながら
ゆっくりと 鳥のように
僕の隣に舞い降りるのでした
仰向けで寝ている僕の額に
彼女はそっと手を触れると
優しく額にキスをするのでした
そして 彼女は 途方もなく大きな数字を
僕につぶやくのでした
彼女の声は
やっと聞こえるくらいの小さなささやきだけど とっても冷たく 威圧感があって
彼女のささやく 大きな数字は
巨大なイメージとして 僕に容赦なく襲いかかるのでした
そのイメージは 運命のつながりとか 神の意思とか
そういうものを連想させて
幼い僕は 果てしなく続く広がりに
押しつぶされそうになりました
僕が 手に余る大きな広がりと格闘している間に
彼女はいつの間にか いなくなっているのでした
そんなことが何度かあって
でも 僕が大きくなると
彼女はあらわれなくなりました
彼女がどうしてあらわれたのか
彼女が何者なのか
僕にはわかりません
ただ 彼女は僕に 自分の手には負えない大きな何かが存在することを
教えてくれたのです
暗黒星への憧れ
2004年12月5日銀河の中心にあるという
すべての闇の発生源
暗黒星が見たくて
乱反射の通気口をさえぎり
太陽のしっぽを引き下げる
とたん
生まれたのは
小さいけれど 存在確かな暗黒星
たちまち
暗黒星はあるものすべてを
飲み込んだ
わたしの前に広がるのは
ただ
黒
わたしの体も
暗黒星に飲み込まれたらしい
ただ
黒
周りの風景に同化し 消えてゆく
なんとも心地よい感覚
けれど
さすがの暗黒星も
わたしの精神までは
飲み込めなかったらしい
わたしはわたし
ここにいる
太陽のしっぽを 再び引くと
暗黒星は
たちまちのうち 消えうせた
すべての闇の発生源
暗黒星が見たくて
乱反射の通気口をさえぎり
太陽のしっぽを引き下げる
とたん
生まれたのは
小さいけれど 存在確かな暗黒星
たちまち
暗黒星はあるものすべてを
飲み込んだ
わたしの前に広がるのは
ただ
黒
わたしの体も
暗黒星に飲み込まれたらしい
ただ
黒
周りの風景に同化し 消えてゆく
なんとも心地よい感覚
けれど
さすがの暗黒星も
わたしの精神までは
飲み込めなかったらしい
わたしはわたし
ここにいる
太陽のしっぽを 再び引くと
暗黒星は
たちまちのうち 消えうせた
昨日の強い風が
昨日の記憶といっしょに
雲をすべて洗い流してしまったのかしら?
一点の曇りもなく
ただ 蒼いだけの空
吸い込まれそうで
でも 拒絶されそうで
ただ 窓から見上げるだけで
こんな綺麗な蒼空に
今度はいつ出会えるのかしら?
今日のこの日が 奇跡のようで
わたしは空から 目を離せずにいた
昨日の記憶といっしょに
雲をすべて洗い流してしまったのかしら?
一点の曇りもなく
ただ 蒼いだけの空
吸い込まれそうで
でも 拒絶されそうで
ただ 窓から見上げるだけで
こんな綺麗な蒼空に
今度はいつ出会えるのかしら?
今日のこの日が 奇跡のようで
わたしは空から 目を離せずにいた
ベッドに落ちる窓
月の明るさを知った
ベッドに寝転べば
今宵は満月
月の光に目を細めた
月は純粋であるがゆえに
こんなにも輝いているのだと想う
太陽に恋をする月は
彼を体いっぱいに受け止めて…
月の光は純粋そのものだ
月の明るさを知った
ベッドに寝転べば
今宵は満月
月の光に目を細めた
月は純粋であるがゆえに
こんなにも輝いているのだと想う
太陽に恋をする月は
彼を体いっぱいに受け止めて…
月の光は純粋そのものだ
この空をキャンパスに例えるのなら
雲が絵具で
その雲を運ぶ風は絵筆かな
空って広いよね
それでいて
空ってこんなに広いのに
見上げるたびに形を変えて
同じ空にはもう二度と会えなくて
とっても自由で
柔らかくて
それが
わたしにはうらやましい
雲が絵具で
その雲を運ぶ風は絵筆かな
空って広いよね
それでいて
空ってこんなに広いのに
見上げるたびに形を変えて
同じ空にはもう二度と会えなくて
とっても自由で
柔らかくて
それが
わたしにはうらやましい
膨張◎→○フラストレーション
2004年11月23日 ポエム赤い炎を見た
無秩序に交錯する
無数の水平線の中で
無限に続くとさえ思える
無音の闇の中で
無言であるべき魂が
無理にでもこじ開けようとする
「わたしの声を聞いて!」
無秩序に交錯する
無数の水平線の中で
無限に続くとさえ思える
無音の闇の中で
無言であるべき魂が
無理にでもこじ開けようとする
「わたしの声を聞いて!」
コメントをみる |

世界中の悲しみを集めてつくられた海
ポツリと浮かぶ
小さなヨット
深い蒼色をしていて
今にも溶けてしまいそう
悲しみは 蒼く 冷たく 透明で
それでいて とても 綺麗で
蒼く溶けていく ワタシ
今はただ 溶けていく
蒼く 蒼く
ポツリと浮かぶ
小さなヨット
深い蒼色をしていて
今にも溶けてしまいそう
悲しみは 蒼く 冷たく 透明で
それでいて とても 綺麗で
蒼く溶けていく ワタシ
今はただ 溶けていく
蒼く 蒼く
コメントをみる |

Borderize me!
2004年11月7日 ポエムわたしの指はわたし?
わたしの腕はわたし?
わたしの顔はわたし?
わたしの髪はわたし?
わたしの爪はわたし?
わたしの涙はわたし?
わたしの息はわたし?
わたしの鼓動はわたし?
わたしの足音はわたし?
わたしの足跡はわたし?
わたしの部屋はわたし?
わたしの妄想はわたし?
わたしが見たものはわたし?
あなたの中のわたしはわたし?
どこまでがわたし?
わたしの境界線を引いて!
わたしの腕はわたし?
わたしの顔はわたし?
わたしの髪はわたし?
わたしの爪はわたし?
わたしの涙はわたし?
わたしの息はわたし?
わたしの鼓動はわたし?
わたしの足音はわたし?
わたしの足跡はわたし?
わたしの部屋はわたし?
わたしの妄想はわたし?
わたしが見たものはわたし?
あなたの中のわたしはわたし?
どこまでがわたし?
わたしの境界線を引いて!
コメントをみる |

眼前に広がる 無限のパノラマ
自由の象徴 風駆ける大平原
しかしそれは結局 虚像でしかなかったのだ
世界は窮屈であった
私はその窮屈な世界を歩かされている
そう それはまるで
細い細いロープの綱渡り
一歩でも踏み外せば 瞬く間に落下する
虚像の自由に祝福された私たち
足元注意
自由の象徴 風駆ける大平原
しかしそれは結局 虚像でしかなかったのだ
世界は窮屈であった
私はその窮屈な世界を歩かされている
そう それはまるで
細い細いロープの綱渡り
一歩でも踏み外せば 瞬く間に落下する
虚像の自由に祝福された私たち
足元注意
コメントをみる |

食器の中であたしはいちばんスプーンが好き
だけどスプーンじゃ
あたしがいちばん大好きなスパゲティー・ミートソースは食べられないわ
世界の真理なんて
案外こんなものかもね
だけどスプーンじゃ
あたしがいちばん大好きなスパゲティー・ミートソースは食べられないわ
世界の真理なんて
案外こんなものかもね
コメントをみる |

月の湾曲の罪を 誰が証明しえようか
それでも足は 楔に打たれ
それでも掌は 灰を握り
それでも額は 茨に刺され
わたしは ただ ただ
耐えに 耐えて 耐えながら
絶え絶えに
高き天を 見上げるだけで
月の湾曲は わたしを嗤う
それでも足は 楔に打たれ
それでも掌は 灰を握り
それでも額は 茨に刺され
わたしは ただ ただ
耐えに 耐えて 耐えながら
絶え絶えに
高き天を 見上げるだけで
月の湾曲は わたしを嗤う
コメントをみる |

休日の部屋〜聖域侵蝕
2004年9月26日 ポエム上昇気流に乗って部屋の窓を通り越し
私の耳の中にまで侵入してくる
下品な女たちの野蛮な笑い声に
私は自分の身体が地獄の瘴気に侵蝕されていくような感覚を覚えた。
ここは聖域ではなかったのか。
外の世界は地獄の瘴気に充ちている。
しかし私には決められた日に決められた時間だけは
外の世界に出て行かなければならない義務があるのだ。
その義務を終え、私は地獄の瘴気から解放されるはずであった。
聖域に戻り、私は安息の時間を得られるはずであった。
しかし、今、その最後の聖域さえも
憎きかの地獄の瘴気によって冒されようとしている。
私に安息の場所はないというのか…。
私の耳の中にまで侵入してくる
下品な女たちの野蛮な笑い声に
私は自分の身体が地獄の瘴気に侵蝕されていくような感覚を覚えた。
ここは聖域ではなかったのか。
外の世界は地獄の瘴気に充ちている。
しかし私には決められた日に決められた時間だけは
外の世界に出て行かなければならない義務があるのだ。
その義務を終え、私は地獄の瘴気から解放されるはずであった。
聖域に戻り、私は安息の時間を得られるはずであった。
しかし、今、その最後の聖域さえも
憎きかの地獄の瘴気によって冒されようとしている。
私に安息の場所はないというのか…。
コメントをみる |
