紅蓮の食心

2004年7月12日 ポエム
一目出会ったその瞬間 
わたしのこころの奥の奥 
あなたはそこ(底)に根を下ろし 
わたしの理性を吸い取って 
妖しく光る紅蓮のつぼみを咲かせるの 

わたしのこころは  
紅蓮の花弁に充たされて  
息も絶え絶え  
張り裂けそう  

花弁はやがて形を変えて 
鋭く光る牙となり 
わたしのこころを切り裂いた 

「痛い」

けれど 
傷つけるのはあなたの刃(やいば) 
痛みさえもいとおしい 

わたしのこころはあなたの牙に 
すべてを食べられ消えてしまうの?
 
痛みでもいい 
あなたをもっと感じていたいのに

優越感に浸る

2004年7月9日 ポエム
射し込む光は柔らかく 
小鳥のさえずり響く 
穏やかな昼下がり 

あなたは獣のような目で 
暗闇探す 

光ばかり見ることが 
そんなに不安? 
 

暗闇見つけたあなたは 
下卑たる嘲笑(わら)いを口元貼り付け 
醜悪なる恍惚 

あなたは弱い人 
世界は冷たく残酷だ。 
世界はなんでも認めてしまう。 

僕の信じたくないもの。 
僕が認めたくないこと。 
世界はなんでも認めてしまう。 

僕の願いは無視するくせに
世界はなんでも認めてしまう。 

それはどうして…?
 

そうか。 

わかった。 

世界は「客観」なのだ。 
すべての人たちの「客観」の集合が
すなわち「世界」なのだ。

それゆえ世界は冷たく哀しい。 
他人(ひと)を見る目がそうであるように。

天の贈り物

2004年7月6日 ポエム
今すぐ空から隕石が落ちてきて 
街も人間も 
みんな壊れちゃえばいいのに
って 
空を見上げたら 
雨が落ちてきて 
僕の頬を濡らしましたとさ 
もっとも、私も世界から伸びるたくさんと線と繋がっていたのです。
でも、それが少しずつ煩わしく感じられるようになって、
どうせ自分には必要のないものだと感じられるようになって、
むじろその線は自分にとって害を与えるだけなのではないかと感じられるようになって・・・、
それでその線を一本ずつ切っていたのです。
少しずつ、少しずつ。
はじめのうちは何も悪いことはありませんでしたよ。
むしろスッキリした。
けれど、だんだん自分に繋がる線が少なくなってきて…、
さすがにマズイかとは思ったのですがね。
もうここまで来ると辞められんのですわ。
線を切ってスッキリした快感が脳にこびり付いて離れないんですわ。
今じゃあ、残り1本になってしまいましてね。
この線が切れてしまったら、私はいったいどうなってしまうのですかね。
私には下のほうで真っ黒な闇が大きな口を開けて待っているような気がするのです。
線が切れたら私はそいつに喰われて死んでしまうのではないでしょうかね。

おはよう

2004年6月26日 ポエム
窓からさしこむ太陽の光にほほをなでられて、あたしは目をさます。
カーテンが開いてる。
あたしはママに感謝する。

体いっぱいに空気を吸って、大きく背のび。
…よし!
少しは大きくなったかな?

らせん階段をぐるりと回って、1階に着地。
たまごが焼けるいいにおい。
たぶんオムレツ。
きのうの夜、あたしがママに食べたいって言ったから。

ママはキッチン。
ぬきあしさしあし、においをたどって会いに行く。
「ママ!おっはよー!!」
とびっきりの大きな声であいさつすると、ママはオムレツを落っことしそうになった。

「おはよう。今日の朝ごはんはオムレツよ。」

blessed by colors

2004年6月25日 ポエム
艶(あで)やかなピンク 
鮮やかなオレンジ 
深い藍 
眩い黄 
燃えるような赤 
透けるような白 
誘うような紫 

百花繚乱 
彩り豊かな花たちの 
やさしいみどりのハーモニー 

ベランダ越しに広がった 
青い空と白い雲 

世界は色に彩られ 
わたしは今日も生きていく
世界の色を 体いっぱいに浴びて
闇夜に浮かぶラプソディィー 
変幻自在のオリハルコン 
誰かが託したあいつのあいつ 
引き裂いてクリムゾン 
真っ赤に染まったラプソディィー 
夕闇沈む山の端(は)に 
我は故郷をみつけたり
たり 
タリスマン 
タリスマンの紋章 
紋章引っさげ我は
ネヴァーランドに生きたい 
ネルヴァ?
ネルヴァ・トラヤヌス
ネルヴァ・トラヤヌス・ハドリアヌス 
アントニヌス・ピウス 
マルクス・アウレリウス・アントニヌス 
瀕死のガリア人
僕はその存在に、もうずいぶん前から気づいていた。

それは僕の周りを前から後ろに向かってびゅんびゅん通り過ぎて行く。
それは僕のはるか頭上を飛び越えて行ったり、
僕の股の間をくぐって走り去って行ったり、
僕の肩にぶつかりそうになりながら駆け抜けて行く。

それがいったい何なのか。 …僕にはよくわからない。
昔、僕はそれを戻って追いかけて行ったことがあったけど、
それはぼんやりと透けていて、
それでいてものすごいスピードで通り過ぎて行くから、
僕はその輪郭さえも捉えることはできなかった。

でも、ただひとつ言えることは、
それが僕のそばを通り過ぎるときには、
それからとても温かくて優しい匂いがするということだ。

僕はこの匂いが大好きだ。
けれど、匂いがするのは一瞬だけだ。
僕は大好きなこの匂いをもっと嗅いでいたいのに、
それが通り過ぎると匂いはすぐに消えてしまう。
そのことが、僕には哀しい。

もう二度と還らぬそれを想い、
移ろいの時の門の前で、僕は涙を流した。

幻想ドライヴ

2004年6月21日 ポエム
我ら生まれ授かるものなし 
我らは生まれながらにして空白なり 

「生きる目的」すなわち幻想 
自給自足の自分燃料 

幻想求めてスタートに立ち 
幻想燃やして 傍若無人 幻想エンジンかき鳴らす 
幻想燃ゆ燃ゆ 幻想唸り 幻想轟き 幻想今、発進す!

我が眼球 映るは幻想
幻想求めて 幻想行く行く
さあ
来たれ来たれ
我が絶望

汝の名は闇
闇闇闇

汝は炎を携えて
汝は我を討つだろう
汝は虚空を従えて
汝は我を穿(うが)つだろう

汝は闇の王の使者
汝の名は闇
汝の名は絶望
絶望絶望
絶望

ああ
我は絶望した
我は汝に絶望した
我が絶望に
我は汝に絶望した!

蒲公英

2004年6月16日 ポエム
死ぬほど他人を憎んで

本当に殺してしまう人と
思いとどまる人

ふたつの心には実はまったく違いがなくて

違ったのは

通学路でアスファルトのひび割れに咲く花を見たとか
そういう人間の力ではどうにもできないような

偶然だけだったのかもしれないよ
なんか神様を創れっていうじゃない。
あんたどうするぅ?
え?あたし?
あたしはねぇ、てゆーかもう決まってるしぃ。
あたしの神様は超イケメンでぇー。
それでね、てゆーか神様はこの世界を創ったのよ。
で、創るだけ創ってもう飽きちゃったって感じ?
だからぁ、あたしが何しようと関係ないわけ。
超無関心。
だからあたしは好き勝手やらせてもらいますよーって感じ?
ギャハハ。
それでねそれでね、神様はもうこの世界に飽きちゃってるからさぁ、
いつこの世界を壊しちゃうかわかんないわけ。
超怖いよねぇー。
ドキドキじゃなーい?
民よ。
あなた方がみな同じ神を信じる時代は終わりました。
これからあなた方は個々の神を信じるのです。
あなた方一人々々がそれぞれ違う神を持つ時代なのです。
たとえあなたの隣人の信じる神とあなたの信じる神が違ったとしても、それを咎める者はもういません。
それはむしろ望まれるべきこと。
誰もがみな同じ神を信じる時代は終わりを告げたのですから。

民よ。
神を創りなさい。
あなたの願い、その全てを叶えることのできる力と、
あなたの未来、その全てを案じてくださる優しさと、
あなたの悲しみ、その全てを癒してくださる微笑みと、
あなたの罪に、時には目を瞑ってくださる寛大さと、
あなたの宿敵ならば決して容赦はしない冷酷さ、
その全てを兼ね備えた神を創りなさい。
そして信じなさい。
あなたの神を。
あなただけの神を。
神があなたを裏切ることは、決してないでしょう。
すべての人の願いを自動で叶える機械が完成した0.00000000001秒後に世界は滅亡してしまった。
あたしを囲むようにして
見えない壁がきっとあるの

あたしは誰にも必要とされないし
あたしも誰も必要としない

それって哀しいことかしら?
いいえ、そうじゃない

あたしを哀れむ人間たちよ
自分たちが弱い人間であることを自覚なさい
あなたたちはひとりになることが怖いのよ

あたしは違う

あたしはひとりでだって生きてゆける
あなたたちとは違うのよ

あたしを哀れむ人間たちよ
あなたたちはあなたたちの愛する人に裏切られ
絶望のうちに朽ち果ててしまえばいい

タナトスの詩

2004年6月11日 ポエム
目を閉じていても
耳を塞いでいても

目蓋から透ける光が
沸き上がる歓声が
水の匂いが
空気の冷たさが

世界がわたしに語りかけるの
わたしの世界を
わたしだけの世界を
世界がわたしを否定する

無へ還りましょう
光も闇も
なにもない無へ

わたしだけの世界がそこにはあるから

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